退職はいつ伝える?希望日から上司への切り出し方を決める
退職を伝える日は、希望する退職日から逆算し、直属の上司へ退職の意思と希望日を伝えます。引継ぎ・就業規則・有給も一緒に確認し、引き止められたときの返しを準備します。まず希望日を仮置きします。
- 契約の型ごとに変わる、伝える日の基準
- 就業規則の「退職に関する事項」の読み方と、ない場合の確かめ方
- 退職の申入れと、退職届の役割の違い
- 引き止められたときに、意思と予定だけを伝える形
- 有給の残日数から最終出社日を逆算する手順
- 判断に迷ったときに使う相談先と、手元に用意するもの
公的情報源: e-Gov法令検索「民法」第626条・第627条・第628条/e-Gov法令検索「労働基準法」第39条・第89条・第90条/厚生労働省「確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト」
- 退職は、いつ伝えればいいんだろう
- 引き止められたら、どう答えよう
- 有給を使ってから辞められるのかな
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目次
希望退職日から、伝える日と引継ぎを逆算します
最初に確かめるのは、自分の雇用契約に期間の決まりがあるかどうかです。ここで「いつ伝えるか」の基準が変わります。
雇用の期間が決まっていないなら、申入れから2週間で雇用が終わります。民法第627条が定めています。
当事者が雇用の期間を定めなかったときは、各当事者は、いつでも解約の申入れをすることができる。この場合において、雇用は、解約の申入れの日から二週間を経過することによって終了する。
「申入れ」と書かれているのが要点です。雇用が終わるのは、申入れの日から2週間が過ぎたときと決まっています。この条文には、相手の同意を要件とする文言はありません。

契約に期間があり、期間が5年を超えるか終期が不確定な場合は、労働者は2週間前、使用者は3箇月前の予告で解除できます。民法第626条が定めています。
期間の決まりがあっても、やむを得ない事由があるときは直ちに解除できます。ただし、その事由が一方の過失で生じたときは、損害賠償の責任を負うとされています。
「上司の許可をもらわないと辞められない」と思われがちです。条文が求めているのは申入れなので、伝えた時点から2週間の期間が始まります。
| 契約の型 | 根拠 | 伝える日の基準 |
|---|---|---|
| 期間の決まりがない | 民法第627条 | 申入れから2週間 |
| 期間が5年超・終期が不確定 | 民法第626条 | 労働者は2週間前、使用者は3箇月前 |
| やむを得ない事由がある | 民法第628条 | 直ちに解除できる場合がある |
出典: e-Gov法令検索「民法」(2026年9月時点)
上司には、退職の意思と希望日を短く伝えます
あなたの職場で退職の時期や届出の扱いを知るには、まず就業規則を読みます。労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、就業規則の作成と届出を求めています。その必要的記載事項のひとつが「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」です。
つまり、退職の時期や届出の扱いは、事業場ごとの就業規則に書かれる事項です。作成や変更のときは、労働者の過半数で組織する労働組合、なければ過半数を代表する人の意見を聴く手続きになっています。
だから、まず読むのは自分の事業場の就業規則です。退職の決まりが書かれている場所が分かれば、「何日前までに出すのか」も社内で確かめられます。
法律の2週間と、就業規則の決まりは役割が違います。法律は最低限の決まり、就業規則は自社の進め方です。両方を並べて読むと、伝える日を決めやすくなります。
就業規則がない職場では、何を確かめるか
あなたの職場に就業規則があるかを確認します。労働基準法第89条は、常時10人以上の労働者を使用する使用者に、就業規則の作成と届出を求めています。 この人数に届かない職場では、就業規則が作られていないことがあります。
その場合は、採用のときに受け取った労働条件の書面や雇用契約の内容、これまでの勤務の実態で確かめます。就業規則に退職の決まりが見つからなくても、期間の決まりのない雇用では、申入れから2週間で雇用が終わることに変わりはありません。
判断が分かれる部分は、公的な相談先で確認します。「確かめよう労働条件」には、働く人向けのQ&Aと、労働条件相談ほっとラインの案内があります。
相談するときは、次の3つを手元に用意しておきます。話が早く進みます。
| 用意するもの | なぜ要るか |
|---|---|
| 入社のときに受け取った労働条件の書面や雇用契約書 | 契約の型(期間の決まりがあるか)を確かめるため |
| 有給の付与と取得の記録 | 退職日と最終出社日を決めるため |
| 就業規則の写しや、社内の規程の該当箇所 | 届出の扱いと、伝える日の社内ルールを確かめるため |
誰に、どの順番で伝えるか
最初に伝える相手は、普段いちばん近くで仕事を任されている直属の上司が自然です。実際に業務の引継ぎ先を決めるのもこの人だからです。
そのうえで、退職届や保険証の返却といった手続きは人事が窓口になります。就業規則にも「退職に関する事項」として届出の扱いが書かれているので、提出先は社内の決まりで確かめます。
「誰に言えばいいか分からない」という状態なら、最初の1人を直属の上司に決めてしまうのが早道です。そこから社内の順番が決まっていきます。
引き止められたときに、何と言うか
引き止められても、期間の決まりのない雇用なら申入れから2週間で雇用が終わります。民法第627条は、申入れに相手の同意を求めていません。
伝え方で迷ったら、事実と予定を短く並べる形にします。たとえば「退職の意思は変えません。引継ぎは今月末までに整えます」のように、意思と予定だけを伝えます。
期間の決まりがある契約で、やむを得ない事由があるときは、直ちに解除できる場合があります。 自分がどの契約の型に当たるか迷う場合は、判断を急がずに、就業規則と相談先で確かめてから動きます。
退職届と、退職の申入れは、役割が違います
「退職届を出さないと辞められない」と聞くことがありますが、期間の決まりのない雇用では、申入れで手続きが始まります。民法第627条が求めているのは申入れで、書面に限るという文言はありません。 口頭で伝えた場合も、伝えた日から2週間の期間が始まります。
退職届は、社内の届出として扱われる書類です。届出の扱いは、就業規則の「退職に関する事項」に書かれる事項なので、いつ・誰に出すかは社内の決まりで確かめます。
| 区分 | 根拠 | 形 | 確かめる場所 |
|---|---|---|---|
| 退職の申入れ | 民法第627条 | 口頭でも効力がある(書面に限る文言はない) | 伝えた日が2週間の起点になる |
| 退職届 | 社内の届出 | 社内の様式と提出先に従う | 就業規則の「退職に関する事項」 |
順番は、届出より先に申入れです。先に上司へ伝えて、退職日と引継ぎの予定を話し、そのうえで届出を提出すると、伝える日と引継ぎの予定を同じ場でそろえられます。届出だけを先に出すと、退職日の確認が後回しになります。
提出先は、退職届や保険証の返却と同じく人事が窓口になります。社内の決まりで提出先が決められている場合は、そちらに従います。
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有給と最終出社日の決め方
残っている有給を、退職日までの期間に充てられるかは先に確かめておきます。有給は請求した時季に取れるのが原則で、労働基準法第39条第5項が定めています。
使用者は、有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければなりません。ただし、請求された時季に与えることが「事業の正常な運営を妨げる場合」だけは、他の時季に与えることができます。
退職日までに残っている有給があるなら、その日数を最初に数えます。最終出社日は、退職日から有給の日数を引いた日が目安になります。

計算の詳細と、買取りの扱いは退職前に有給は使い切れる?時季変更権の考え方にまとめています。
- 自分の契約の型を確かめる(期間の決まりがあるか)。
- 就業規則の「退職に関する事項」を読む。なければ、労働条件の書面と勤務の実態で確かめる。
- 退職日を1日決める。
- 残っている有給の日数を数え、退職日から引いて最終出社日を出す。
- 2週間前までに、上司へ退職の申入れをする。
- 退職届は、社内の決まりに従って提出する。
退職日が決まったら、手続きの一覧を見ておく
退職日が決まったら、次は退職後の手続きです。健康保険・年金・税金は、それぞれ窓口と期限が違います。
この記事の段階で済ませておくことは1つだけです。退職日が決まった時点で、手続きの一覧を一度読んでおくと、期限のあるものを見落としません。
- 健康保険・年金・税金の期限は退職後の手続き|期限の早い順に必要書類をそろえる
- 失業保険(基本手当)の流れは失業保険の手続き|離職票を持って窓口で確認する順番
- 在職中のまま動く段取りは第二新卒はいつまで?公的な定義と使える窓口
よくある質問
上司が認めないと、退職できないのでしょうか?
期間の決まりのない雇用では、申入れから2週間で雇用が終わります。民法第627条は、各当事者がいつでも解約の申入れをできると定めています。 同意を要件とする文言はありません。
就業規則の「1か月前までに」と、法律の2週間はどちらを見ますか?
就業規則に「退職に関する事項」が書かれているかを確認します。労働基準法第89条が記載を求めています。 自社の決まりがどうなっているかは就業規則で確かめ、判断に迷う部分は確かめよう労働条件など公的な相談先で確認します。
退職日は、いつにすればいいですか?
期間の決まりのない雇用では、申入れの日から2週間を経過すると雇用が終了します。 希望する退職日の2週間前までには申入れをします。残っている有給を退職日までに充てたい場合は、その日数も足して逆算します。
まとめ
- 期間の決まりのない雇用では、退職日の2週間前までに申入れをします。民法第627条が、申入れから2週間で雇用が終わると定めています。
- 就業規則には「退職に関する事項」が書かれます。自社の決まりを先に読んでおくと、伝える日の見当がつきます。
- 有給は請求した時季に与えられます。退職日は、有給を取れる権利と残っている日数から逆算します。
まずは退職日を1日だけ決めてみてください。そこから2週間と有給の日数を逆算すれば、上司に伝える日が決まります。
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参考にした資料
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e-Gov法令検索「民法」第627条(期間の定めのない雇用の解約の申入れ。第1項=各当事者はいつでも解約の申入れができ、雇用は申入れの日から二週間を経過することによって終了する。第2項・第3項=期間によって報酬を定めた場合の申入れの時期) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (2026-09-16取得)
-
e-Gov法令検索「民法」第626条(期間の定めのある雇用の解除。第1項=雇用の期間が5年を超え又は終期が不確定なときは5年経過後いつでも解除できる。第2項=予告は使用者は3箇月前、労働者は二週間前) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (2026-09-16取得)
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e-Gov法令検索「民法」第628条(やむを得ない事由による雇用の解除。期間の定めがある場合でも直ちに契約の解除ができる。その事由が当事者の一方の過失によって生じたときは損害賠償の責任を負う) https://laws.e-gov.go.jp/law/129AC0000000089 (2026-09-16取得)
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e-Gov法令検索「労働基準法」第89条(作成及び届出の義務。常時十人以上の労働者を使用する使用者は就業規則を作成し行政官庁に届け出る。第3号「退職に関する事項(解雇の事由を含む。)」) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (2026-09-16取得)
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e-Gov法令検索「労働基準法」第90条(作成の手続。労働者の過半数で組織する労働組合があるときはその労働組合、ないときは労働者の過半数を代表する者の意見を聴かなければならない) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (2026-09-16取得)
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e-Gov法令検索「労働基準法」第39条(年次有給休暇。第5項=使用者は労働者の請求する時季に有給休暇を与えなければならない。請求された時季に与えることが事業の正常な運営を妨げる場合においては他の時季に与えることができる) https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049 (2026-09-16取得)
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厚生労働省「確かめよう労働条件:労働条件に関する総合情報サイト」(働く方のQ&A、法令・制度の紹介、労働条件相談ほっとライン) https://www.check-roudou.mhlw.go.jp/ (2026-09-16取得)